月刊
社長のコラム
株式会社療食サービス社長のコラム

  • -第206号-家内の料理(2022.5)

    コラム

    2022.05.01

    「今日のかぼちゃの煮物、楽しみだなぁ!」ある日の我が家の夕食メニューに喜ぶ私であります。今号はタイトルの通り素直にお送りいたします。どうぞ今号も最後までお付き合いください。


    私もこのコロナ禍ですっかり外食が減り、自宅で食事をとることが多くなりました。皆様のご家庭はいかがでしょうか。我が家はひと昔前までは、父、母、そして子供たち3人の7人家族で住んでいましたので、食事の盛り付けは大皿盛りが主流でした。大人数で食卓を囲むと、何だか「食べるぞ!」という迫力がありましたね。子供たちが巣立ち、今では夫婦2人きりの食卓になりましたが、テレビを見ながら「うん、うん、美味しいね」「うん、うん」とテレビに向かって相槌を打ちながら黙々と食べているのであります。皆様ご想像いただけたでしょうか。夫婦で過ごす年数が長くなってきますとお互い空気のような存在でありまして、これでうまくいっているのであります。夫婦とは本当に不思議なものです。


    さて、今号はここからが本題であります。惚気ているようであまり大きな声では言えませんが、私は家内と黙々と食べる食卓が何より好きでありまして、一日で一番落ち着く時間になっているのです。そしてこちらも大きな声では言えませんが、家内の作る手料理が私に合ってきたというか、かい慣らされたと言いましょうか、美味しくなってきたのです。結婚当初は出てくる料理がしっくりこなくて、甘かったり、しょっぱかったりと何か今一つ違うのです。生まれてから30年近く母親の料理を食べてきたので当然と言えば当然かもしれません。結婚当初は、「おふくろの作る煮物が食べたいなぁ」「ナスの油炒め、美味しかったなぁ」「ホクホクのかぼちゃ煮、食べたいなぁ」など、家内の料理が出るたびに思っていました。しかし不思議なもので、35年以上も家内の料理を食べ続けてきますと、美味しい、美味しいと食べていたおふくろの料理よりも家内の料理の方が食べたくなってくるのです。今ではすっかり家内の料理に胃袋をがっつりつかまれておりまして、上記のメニューも私から家内へのリクエストランキングの上位を占めているのです。母親の味から家内の味へ移行することも家庭円満の一助になっているのかもしれません。最近とみに感じるようになりました。男性の皆様同感でしょうか。これからも家内とふたり黙々と食べていきたいと思います。そして、亡き母の「ナスの油炒め」もいつしか天国で再び食べてみたいものです。「母ちゃんその時はよろしく!」


    今号も最後までお付き合い頂きありがとうございました。今号も最後は夫婦の会話で締めたいと思います。

    私 「今日のかぼちゃの煮物、美味しかったよ」
    家内「あら、お父さん良かった!」
    私 「明日は肉じゃが、食べたいな~」
    家内「お父さん「とろみ剤」を使わないよう元気でいてね!」

    大変お粗末様でございました。